高校 理科 【物体の運動】
常翔学園中学校・高等学校 田村直宏
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全体像
シンキングツール使用のポイント
生徒が「自分がどうやって理解に達したか」を、生徒自身で理解できるような使い方を意識しました。
題材についてのポイント
「物体の運動」は高校物理の最初の項目です。ここで物理の理解の仕方を認識出来ればその後の学習も上手くいくと考え、敢えて最初の所の授業案を作ってみました。同じ構成で、全ての物理の分野に使えるようにデザインしました。
授業のピークを、問題演習または実験という生徒自身が深い理解に達する所にしました。これを可能にするには、通常のいわゆる「授業」は最初の2時間程度に圧縮して全てを伝える必要があります。その為に繰り返し授業が見られる授業動画を準備しています。
単元ごとに、「知識を持つ→知識の整理→自分の物にするための演習→どのように知識を組み立てたかを発表→知識を理解へ進化させる為に整理」、を繰り返して物理を好きになってもらうと共に、大学受験の際に物理を武器にしてもらいたいと思って授業案を作りました。
思考の整理の為の道具として、他の場面でもシンキングツールを使ってもらえるようなデザインも意識しました。
授業全体の流れ
導入 一通りの授業を4~5倍速で終わらせた後、登場した物理量をウェビングに書き出してもらう
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ウェビングで書き出した物理量を、KWLのK(知っていた事、習いたてだけどもうわかった事)とW(まだ分かってない)に分けて入れて行きます。その後の復習と演習で、WからL(学んだ事)に移して行きます。Wが空になると全て理解できたことが自覚出来るので、それを目指して自学自習が進むと思われます。
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くまでチャートは問題、実験1つに対して1つ作ります。様々な観点から、その問題、実験を理解するために必要な事柄を、自分で確認する事で次から意識をそこに向ける事ができるようになります。自分の中での整理が大切だと思ったので、ここをピークにしました。
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物理量に関して理解できた事を整理する必要があればデータチャートで整理します。単元によっては、必要が無いときもあると思われます。なお、これは本来の使い方でないかもしれません。
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くまでチャートで整理したことを、くらげチャートでプレゼン資料にします。確認テストで正解した問題に対して1つ作ってもらい、生徒同士で発表してもらいます。正解者が少ない問題を満点の生徒が、一番簡単な問題をそこしか合ってない生徒が、という風に割り振ることで、全員がアウトプットの経験をすることができます。
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最後にピラミッドチャートで、単元全体の理解を自分なりに確認してもらいます。きちんと理解できている生徒の物を、全員で共有して広げていきます。これはKWL同様、理解が深まればいつでも書き直してより良いものにしていく事で、その理解を整理してもらえます。
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最初のプロット図があっさりし過ぎていて、それだけではどう使うのかが分かりにくかったという反省点があります。しかし、実際に授業案を作ることでシンキングツールの使い方を学ぶことができました。そして自分の思考の流れも、知ることができました。
授業案作成に挑戦したことは、私にとって凄く意味のあることでした。そしてこの授業案が皆様にとって有用なものとなっていれば、とても嬉しいです。